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パーキンソン病QOLリサーチアプリケーション「iPARKSTUDY」

set of gratitude message for doctors with stethoscope and hearts いろんな病気
Photo by Karolina Grabowska on Pexels.com

「iPARKSTUDY」とは

こんにちは。
健康アプリを紹介する「デジタルヘルスのアプリケーションをひたすら紹介するブログ」です。

ResearchKitを用いたデジタルヘルスのアプリケーションのご紹介を本日からカウントダウンしていきますね。
現在研究が終了しているものを含めてですが、Appstoreでダウンロードできるアプリは残り3つです。
一旦、残り3つを紹介して、ここしばらく続けていたResearchKitを用いたアプリケーションの紹介は終了させていただきます。
また、新しい医学研究がはじまった際は都度紹介させていただきますね。

さて、今回はパーキンソン病を患ってらっしゃる患者さんのためのデジタルヘルスアプリケーション「iPARKSTUDY」を紹介させて頂きます。

ではその前にまずはパーキンソン病に勉強していきましょう。

パーキンソン病について

パーキンソン病は大脳の中の神経細胞が減少することで発症する疾患で振戦(ふるえ)、動作緩慢、筋強剛(筋固縮)、姿勢保持障害(転びやすいこと)などの運動症状を主とする病気で、50歳以上で発症することが多い疾患です。

本邦における発症数は10万人に100人~150人ぎらい(1000人に1人~1.5人)と言われております。
歳を重ねるほど発症することが多くなり60歳以上では100人に約1人(10万人に1000人)ということが分かっておりますので今後日本においては高齢化人口が増えるに伴い患者さんは増加していくことが予想されます。

少し詳しく話しますが、パーキンソン病は大脳の下にある中脳の「黒質ドパミン神経細胞」という細胞が減少して起こります。
ドパミン神経が減ると体が動きにくくなり、ふるえが起こりやすくなります。
ドパミン神経細胞が減少する理由ははっきりとはわかっておりませんが、ドパミン神経細胞の中にαシヌクレインというタンパク質が凝集して蓄積し、ドパミン神経細胞が減少すると考えられております。

αシヌクレインが増えないような治療薬の開発が望まれますが、現在のところは少なくなったドパミンを補う治療が主となります。
しかしドパミン自体を飲んでも脳へは移行しないため、ドパミン前駆物質のL-dopaを服用致します。

また、運動はパーキンソン病の良い治療になります。
運動といっても激しい運動ではなく、散歩やストレッチなど、毎日運動を続け体力を高めていくことは非常に重要となります。
また、気持ちを明るく保つことも重要です。
気分が落ち込むと姿勢も前かがみとなり、動作も遅くなります。
私たちが意欲を持って行動する時は脳内でドパミン神経が働いていると考えられています。
日常生活の過ごし方も大事な治療ですので、是非工夫してください。

アプリが発表された際のプレスリリースはこちら

iPARKSTUDYの主な機能(公式サイトから引用)

本アプリはiPhoneを利用してパーキンソン病患者さんの生活を調査することを目的とした臨床研究です。

本研究では、アプリやiPhone本体から取得したデータを解析することで、患者さんの日常生活をモニタリングできるかどうかを検討します。パーキンソン病は運動障害が前景となる疾患で、患者さんの日常生活すべてを評価する必要がありますが、実際の診療では難しい状況です。そのため、アプリやiPhone本体で患者さんの日常生活をモニターすることは、治療方針の決定に有用であると考えられます。また、パーキンソン病は睡眠障害を合併しますが、睡眠時の体動をモニターすることでどの程度の睡眠が確保出来ているかを調べる事も可能となれば、生活の質の評価につながる事が期待できます。

データ収集

本アプリでは「ResearchKit」と呼ばれるApple社のフレームワークを利用しています。これまでの医学研究は、研究協力者が病院や研究所に出向いて参加するのが通常でした。ところがこのフレームワークを使ったアプリなら、世界中で何億人もの人が携帯するiPhoneを利用して、自由に臨床研究に参加していただき、効率的な医学的情報の構築を可能にします。

本アプリはResearchKitフレームワークを採用したアプリで、研究に参加いただく方にはアプリ上の様々な質問票にご回答いただきます。

またiPhoneには、加速度センサーなどの高機能のセンサーが搭載されています。本研究では、これらのセンサーによって収集したデータをiPhoneのヘルスケアアプリケーションを通じて収集・データ解析し、パーキンソン病の日常生活を評価します。

対象

  • 同意取得時において年齢が20歳以上75歳以下の被験者(パーキンソン病患者さんだけでなく、健常の方も参加いただけます)
  • 本研究の主旨・内容を十分に理解した上、被験者本人の自由意思による同意がアプリケーション上で得られた被験者
  • 日本在住で、日常会話で日本語を使用される方
  • iPhoneをお持ちの方

プライバシーと安全性

収集されたデータは、個人が特定できない形で保存されます。
機密保持に万全を尽くし、外部に漏れないように取り扱います。
収集したデータを本研究以外の他の目的に使用することはありません。
研究協力者にいかなる利害も発生しません。
研究参加に際して、費用負担は発生しません。

本研究は順天堂大学医学部倫理委員会で承認された臨床研究です。
研究説明内容をご理解いただき、同意の署名の上、ご協力をよろしくお願い致します。

Appstore:4.0(1件) ※2021年6月現在
スマートフォン対応

「熟眠アラーム」と連動

「iPARKSTUDY」ですが、睡眠計測については以前ご紹介した「睡眠アラーム」と連動しております。
「睡眠アラーム」はかなり詳しく自身の睡眠が見れますので、この連携は嬉しい限りです。

「iPARKSTUDY」と「睡眠アラーム」のどちらもダウンロードして使ってみてください。

「順天堂大学」について

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Photo by Daria Shevtsova on Pexels.com

順天堂大学についてはこちら、第53回で紹介させて頂いた「ロコモニタープラス」で詳しく記載しておりますのでご覧ください。

研究代表者:神経学講座 波田野琢准教授

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