「いたみノート」とは
こんにちは。
健康アプリを紹介する「デジタルヘルスのアプリケーションをひたすら紹介するブログ」です。
突然ですが、今、身体のどこか、痛くありませんか?
頭痛、腰痛、関節痛、神経痛、歯痛、顔面痛、、、など様々な疾患があります。
ウイルスや外傷など原因が明確なものから、不眠やうつ等の心身的訴因がトリガーとなっているもの、なんだかよく分からないもの等、痛みが発生する要因は様々です。
又、痛みが発症して間もない時期の急性疼痛から、既に痛みの原因となるものは治癒しているにも関わらず、痛みだけが引続き続いている慢性疼痛まで、診断や治療も様々です。
痛みに関連する日本痛み関連学会(日本痛み関連学会連合)を見ても下記のように細分化されております。
●日本疼痛学会
●日本運動器疼痛学会
●日本口腔顔面痛学会
●日本頭痛学会
●日本ペインクリニック学会
●日本ペインリハビリテーション学会
●日本慢性疼痛学会
●日本腰痛学会
本日は、慢性疼痛に関するデジタルヘルスのアプリケーション「いたみノート」について見てみましょう。
本アプリケーションを開発・運営された順天堂大学からのプレスリリースになります。こちらをご覧下さい。
いたみノートの主な機能(公式サイトから引用)
いたみノートは、順天堂大学が開発した日本初の慢性疼痛研究のためのアプリケーションです。
日本人は痛みを我慢してしまう傾向があり、軽症では医療機関を受診しないまま重症化してしまうことも少なくありません。
また、痛みは気象やストレス、不眠などの影響で強まるとも言われています。
本アプリでは、このような病院での診察だけでは観察できない日常生活での痛みや抑うつ気分、睡眠障害や運動量等の情報と気象情報を同時に収集することで、慢性疼痛、うつ、睡眠障害の評価ができるようにしています。
また、アプリの利用により、痛みの変化を記録し可視化することで、慢性疼痛のセルフメディケーションに役立てるだけでなく、収集情報をビッグデータ解析することで慢性疼痛の増悪因子の究明に繋げることを目指しています。
慢性疼痛をお持ちの患者さんだけでなく、通院していない潜在的な慢性疼痛予備群の方々の利用も見込んでおり、慢性疼痛に対するビッグデータ研究は、慢性疼痛患者が痛みによって支障をきたしているQOL(Quality of Life:生活の質)の向上ならびに、社会的経済損失を減らすための基盤となる成果に繋がる可能性があります。
ご興味を持たれた方は、ご参加を検討していただければ幸甚と存じます。
【開発の背景】
痛みは当事者以外には理解されにくい一方で、日本人は、少しの痛みであれば我慢してしまい、医療機関を受診されない方が非常に多い傾向にあります。
現在、国内の慢性疼痛保有率は13.4%、約1,700万人に上ると言われており、その中でも痛みが良くならない人は77.6%との調査結果もあります。
慢性疼痛は、炎症や刺激による痛み、神経が障害されることで生じる痛み、心理・社会的な要因によって生じる痛みなど、あらゆる要因が複合的に絡み合い発症します。慢性疼痛に苦しむ方々は、その痛みのためにQOLが著しく低下し、日常生活に大きな支障をきたしています。
これまで日常生活の行動(運動量、睡眠、気象など)までは観察が難しいと言われていましたが、情報技術の発達に伴い、このような問題を解決できる可能性が大いに高まりました。
ビッグデータ研究的なアプローチは、様々な疫学研究が抱えている数々の科学的疑問をシンプルに究明できる可能性があります。
一方で、ユーザーの地域の気象、日常生活の行動、痛み日誌を合わせて記録することで、パーソナライズされた慢性疼痛対策が可能となります。
本アプリは、慢性疼痛に苦しむ方々に寄り添うアプリとして開発しました。
【いたみノートの特徴】
■アプリケーション名:いたみノート
①日常生活の情報(運動量、睡眠、気象など)と痛みのフェイススケールを連動させて、痛みの変化を可視化し「痛み日誌」として活用することで、重症化の予防ならびに疼痛のセルフコントロールに役立てます。
②アプリユーザーに慢性疼痛、睡眠障害やうつの評価をフィードバックします。
③収集情報をビッグデータ解析することで、慢性疼痛の増悪因子の究明につなげます。
④痛みにより苦痛や苦悩、不安を抱えているユーザーが少しでも楽しめるよう、笑顔レベルチェック機能をつけてアプリ使用の最後に明るく笑えるような工夫をしています。
【データの扱いについて】
ご協力によって得られた研究成果、および収集されたデータは、慢性疼痛の研究に役立てるため、学会発表や学術雑誌などに公表されることがあります。
また、この研究のために集めたデータを別の研究または開発に利用する場合があります(今はまだ計画・予想されていないものの、将来、非常に重要な検討が必要となるような場合)。
研究から生じる知的財産権は、順天堂大学に帰属します。
Appstore:3.3(16件) ※2021年6月現在スマートフォン対応
「順天堂大学練馬病院メンタルクリニック」について
診療科⻑:八田 耕太郎
体の治療を円滑に進めるため入院中の精神症状を専門的に診療
高齢化の進行にともなって、入院中にせん妄、うつ、不安などの精神症状をきたす患者さんが増えています。興奮して暴れたり、カテーテルを引き抜いたりすると、安全管理上も問題となります。そのような状況を避け、各診療科の医師や看護師が円滑に診療できるように、入院患者さんの精神症状に対応することが当科の任務です。治療は主として、抗精神病薬、気分安定薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬などを用いた薬物療法ですが、必要に応じて呼吸法や漸進的筋弛緩法など心理療法的アプローチも用いています。精神科を専門とし、さらにリエゾン精神医学の専門家でもある医師が毎日、病棟を回診し、緊急症例にも対応しています。
いたみノート
研究実施期間:2018年6月18日~2022年4月30日
研究責任者
メンタルクリニック 先任准教授 臼井千恵
研究分担者
メンタルクリニック 教授 八田耕太郎
研究課題名
携帯電話のアプリを用いた我が国の慢性疼痛実態調査
研究の意義と目的
本研究はAppleが公開した「Research Kit」という新しいアプリケーション(以下、アプリ)専用プラットフォームを使用したアプリ「いたみノート」を利用して慢性疼痛をお持ちの方々にアンケートに答えていただき、我が国における慢性疼痛の実態調査を行うとともに、iPhoneのアプリより気象情報を取得させて頂くことで気象と症状の関連を調査させて頂きます。
これにより、今まで難しかった慢性疼痛の詳細な調査や罹患に関する危険因子や疼痛増悪因子の同定が可能となるかもしれません。
また、アンケート調査の結果から痛み管理状況をフィードバックさせて頂きますとともに、簡易の痛み日誌としても使用いただけるようになります。
これを行う事でより良い痛み管理方法を確立することが出来れば、痛み管理の向上が期待できるのではないかと考えてこの研究を計画しました。
アプリの利用により、痛みの変化を記録し可視化することで、慢性疼痛のセルフメディケーションに役立てるだけでなく、収集情報をビッグデータ解析することで慢性疼痛の増悪因子の究明に繋げることを目指しています。
慢性疼痛をお持ちの患者さんだけでなく、通院していない潜在的な慢性疼痛予備群の方々の利用も見込んでおり、慢性疼痛に対するビッグデータ研究は、慢性疼痛患者が痛みによって支障をきたしているQOL(Quality of Life:生活の質)の向上ならびに、社会的経済損失を減らすための基盤となる成果に繋がる可能性があります。
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