「ぜんそくリスク予報」とは
こんにちは。
健康アプリを紹介する「デジタルヘルスのアプリケーションをひたすら紹介するブログ」です。
今回は前回No.51の「アレルギーチェッカー」とも関連する喘息に関するデジタルヘルスのアプリケーションを紹介させて頂きます。
私は喘息持ちではありませんので、発作の経験もなく、喘息患者さんの本当の辛さは分かりませんが、確かに喘息持ちの患者さんは、ことあるごとの咳をされており、少し状態が悪いと咳き込みが止まらず、本当に辛そうにされております。
アレルギーの原因は前回記載した通りですが、喘息発作に関しては、その他運動やストレスによっても悪化することから、日頃の生活から十分に注意が必要です。
又、季節の変わり目や気温の変化なども悪化要因になりうることから、日常生活も常にお気をつけて過ごしていただく必要があります。
それでは、ぜんそくリスク予報の機能を見る前に喘息について勉強してみましょう。
気管支喘息とは
気管支喘息とは、急に空気の通り道となる気管支が狭くなってしまい、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」し始めて呼吸が苦しくなる状態(いわゆる発作)を繰り返す病気です。気管支喘息では、気管支に慢性的な炎症が起こっていることが分かっています。この炎症のために簡単な刺激が入っただけでも気管支の壁が腫れたり、粘液(痰)が分泌されたり、気管支の周りの筋肉が縮もうとしたりして気管支が狭くなってしまい発作が起こります。そのため、炎症を治さない限りいつまでも発作が出現します。さらに、長く炎症が続いてしまうと気管支自体が硬くなって治療が難しくなる「リモデリング」といった状態に陥ってしまいます
気管支喘息の主な症状
- のどが「ゼーゼー、ヒューヒュー」いう喘鳴
- 呼吸困難
- 発作性の激しい咳、痰
- 急に動けなくなる
- 胸の痛み
- 動悸、息切れ
- 背中の張り
- 空咳
気管支喘息症状を起こす悪化要因
- 風邪などの感染症
- ダニやペットの毛など(吸入タイプのアレルゲン)
- 天候や大気汚染
- 受動喫煙
- 激しい運動
- カビ
- ストレス
など
気管支喘息の検査と診断
何度も「ヒューヒュー」「ゼーゼー」したり風邪をひいた後にせきが長引いたりするのは気管支喘息の可能性があります。一方で、気管支喘息以外にも同じ様に症状を起こす病気もあります。
そのため、問診(気管支喘息が疑われる場合には詳しい症状の経過や家族のアレルギー、生活環境などの確認)や診察、検査(血液検査、胸部X線検査、呼吸機能検査、呼気NO検査、気道過敏性試験、気道可逆性試験:全ての検査が全ての方に必要な訳ではありません)を行って総合的に気管支喘息を診断することが必要になります。
気管支喘息の検査
- 呼吸機能検査
- ピークフロー測定
- 気道過敏性検査
- 呼気一酸化窒素(NO)検査
などがありますが、確定診断はくれぐれも医療機関を受診して医師に診てもらいましょう。
ぜんそくリスク予報の主な機能(公式サイトから引用)
登録された記録には、天気、気温、湿度(最寄りのアメダスや気象官署の情報)が自動的に登録されますので、ぜんそくや体調の記録をすると、気象の変化に対するぜんそくの状況を把握するのに役立ちます。
また、言葉で体調を伝えることができないお子様のために音声で元気ランクをチェックすることができます。ぜんそくのリスクや天気だけでなく、お子様の体調の管理やコミュニケーションのためにもご利用いただけます。
特徴
- 時間ごとの気温の変化をわかりやすく表示
- 6時間先までの気温変化に対するポイントをコメントでお知らせ
- 最大で10日先までのぜんそくリスク予報の表示
- 日別の最高気温と最低気温の高低差をわかりやすく表示
- チャット形式で登録できる体調や服薬情報
- お子様のぜんそく管理に適した見やすくシンプルなデザイン
- 音声で計測できる元気ランク
表示情報の種類
- 市区町村単位で表示されるぜんそくリスク予報
- 市区町村単位で表示される天気予報
- 最大で10日先までのぜんそくリスクと天気と最高・最低気温の予報
- 直近2日間は1時間毎・3時間毎の詳細な気象情報(天気・気温・湿度)
登録情報の種類
- 体調に関する情報
- 元気ランク
- 受診に関する情報
- 服薬に関する情報
- メモ
今日明日の予報画面では、ぜんそくリスク予報、天気、気温を表示しています。
天気と気温は1時間毎、3時間毎に切り替えることができます。グラフで表示された気温は日中の変化を一目で確認することができます。
右下のソナエテンが、気温の変化に関するワンポイントアドバイスをしてくれます。
週間の予報画面では、8日間のぜんそくリスク予報、天気、気温を表示しています。
気温は最高気温と最低気温を表示しているため、日較差が一目でわかります。
体調や服薬の記録を行うことできます。
記録した日の、天気、気温、湿度が自動で入力されますので、当日の気象条件を後から確認することができます。
体調の記録に、お子様を追加することができますので、自分だけでなく家族の体調や服薬の管理に役立ちます。
元気そうに見えたけど、実は、、、。そんな経験をされた方は多いのではないでしょうか?
元気チェックは音声で元気度を計測する機能です。自分の体調をうまく表現できないお子様とコミュニケーションしながら体調管理できるアプリです。
元気チェックはSiCECAを利用しています。
Appstore:3.5(22件) ※2021年5月現在
スマートフォン、PC対応
「Health Weather PROJECT」について
Health Weather PROJECTでは、研究機関や医療機関とコンソーシアムを形成し、疾患の発症や重症化のリスクを予測するための調査分析や、リスクの予測情報を活用したQOL向上のための取り組みについて、研究や実証実験を行っています。
研究や実証実験の結果は、学会での発表や論文の投稿により信頼性の確保に努めています。また、予測情報を通じて、患者の自発的な受診や服薬を促し、疾患に対して適切な対応が行えるよう活動を行っています。
Health Weather PROJECT では一緒に研究していただけるメンバーをお待ちしています。
進行中のプロジェクト
- ぜん息
- アトピー性皮膚炎
- てんかん発作
- アレルギー性結膜炎
- かぜ症候群(上気道炎)
- 感染症(インフルエンザ)
記載のない疾患は、新規にプロジェクトを立ち上げることができますので、お気軽にご相談ください。
実績
ぜん息
ぜん息患者の実態と気温などの気象変化によるリスク予測モデルを開発いたしました。
ぜん息患者は年々増大を続け、関連する医療費も増加し続けています。特にぜん息患者には10歳未満の患者が多く、ぜん息発作の予防や子どもがぜん息にかかることに対する不安を軽減するための根拠や有益な情報が必要とされています。
JMDCは今回の解析結果を踏まえ、気温、湿度、気圧、風、PM2.5、オゾンといった要因のなかで特に関係が認められた、気温の変化とぜん息の定量的な発生を予測することで、10歳未満のぜん息発生に対する回避行動や医療機関への受診を促し、ぜん息の重症化を防ぐための情報として利用していただくことを提案します。
今回の調査では、40万人以上のぜん息患者を重症化群と非重症化群に分類し一人あたりの年間医療費を算出しています。重症化を防ぐことで一人あたり年間医療費を約10万円削減できる試算です。
また、日本国内の推定患者数は約800万人(資料:「リウマチ・アレルギー対策委員会報告書 平成23年8月」(厚生労働省))いることを考えると医療費の削減に向けた取り組みが可能であると考えられます。
学会発表
- 第34回 日本小児難治性喘息・アレルギー疾患学会(気象データと医療データを活用した喘息発症予測モデルの開発)
- 第76回 日本公衆衛生学会総会 (気象データと医療データを活用した「Health Weather」の取り組み)
- 第77回 日本公衆衛生学会総会(小児ぜんそく患者を対象としたぜんそくリスク予報の提示とアプリケーションの開発)
イベント
- 第66回 日本小児保健協会学術集会 ブース出展
- こうとう子育てメッセ2019 ブース出展
- 第78回日本公衆衛生学会総会で発表を行いました
- 第30回日本疫学会学術総会で発表を行いました
ぜんそくリスク予報
- 無料アプリ( iOS・Android )
- 市区町村単位のぜんそくリスク予報
- 最大10日間のぜんそくリスク予報
- グラフで表示された気温推移
- 時間別の天気予報
- 服薬・体調の記録
日本気象協会とJMDC スマートフォン向けアプリ「ぜんそくリスク予報」を提供開始 ~「Health Weather(R)」サービス 第1弾~
Press Release2018.09.20
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:石川 裕己、以下「日本気象協会」)は、株式会社JMDC(本社:東京都港区、代表取締役社長:松島 陽介、以下「JMDC」)と、「気象ビッグデータ」と「医療ビッグデータ」を活用した統計解析の結果から、健康的な日常生活の過ごし方を提案する新しいサービス「Health Weather(R)」(ヘルスウェザー)のサービス第1弾として、主に10歳未満のぜん息患者を対象としたスマートフォン向けアプリケーション「ぜんそくリスク予報」(以下、本アプリ)を2018年9月20日(木)に公開します。
「一般財団法人日本気象協会」について
所在地:東京都豊島区
会長:石川裕己
1950年に誕生した日本気象協会は、分単位で収集される国内外の気象データをもとに、天気予報に代表される気象予測事業に加え、再生可能エネルギー、環境アセスメント、大気解析事業、防災・減災・安全管理に関する事業、放送局・新聞社向け情報サービス提供など、気象に関するコンサルティング事業を通じ、公共に資する企業活動を展開しています。
「株式会社JMDC」について
所在地:東京都港区
代表取締役社長:松島陽介
1950年に誕生した日本気象協会は、分単位で収集される国内外の気象データをもとに、天気予報に代表される気象予測事業に加え、再生可能エネルギー、環境アセスメント、大気解析事業、防災・減災・安全管理に関する事業、放送局・新聞社向け情報サービス提供など、気象に関するコンサルティング事業を通じ、公共に資する企業活動を展開しています。
【ミッション】
データとICTの力で、持続可能なヘルスケアシステムを実現する
JMDCは医療ビッグデータが持つ可能性を追求しそこから新たな価値を生み出し社会に還元します。
データとICTを活用して個人に対しては 自身の健康維持・管理の自分ごと化を促進し、 医療プロバイダーに対しては サービスの質向上とコスト最適化を支援します。
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